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ザ・ミレニアム「ビギン」



一般に「ソフトロック(=60年代後半〜70年代前半にかけてのビーチ・ボーイズ直系の美しいコーラスとハーモニーを持ったグループ)」というとロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズやハーパース・ビザール、アソシエイションやサークルといったところが筆頭に挙げられると思うのだが、最近ではここにカート・ベッチャーのミレニアムやサジタリアスが並べて語られることも多いようで、カート・ベッチャー・マニアとしては嬉しい限りである。と同時に20年くらい前からカート・ベッチャー・マニアをやっている(笑)人間としては、昨今の再評価や未発表音源リリースには隔世の感がある。まさかゴールドブライアーズ(カートがサジタリアス、ミレニアムの前にやっていたフォーク・グループ)やミシェル・オマリー(サジタリアスのアルバムでいくつかの楽曲を共作している女性シンガー)のアルバムまでCDリイシューされるとは夢にも思わなかった。つくづくいい時代になったものだなあ、と思う。やはりこの再評価においてはフリッパーズ・ギター(小沢健二と小山田圭吾)やピチカート・ファイヴの小西康陽(彼が書いた最も有名な曲は「慎吾ママのおはロック」)、中村一義(現100s)らカート・ベッチャーの「良き理解者」の功績は大きいのだろうな。まあ実際に最も尽力したのは長門芳郎(音楽評論家)なんだろうけどさ(笑)。

個人的には冒頭に挙げたいくつかのソフト・ロック・グループの中でもカート・ベッチャーのサジアタリアスとミレニアムはもう「別格」というくらいの思い入れがある。カート・ベッチャーの音楽を聴いてから数え切れない程のソフト・ロック・グループのレコードを聴いたのだけれど、結局サジタリアスやミレニアムを超える音楽に巡り会うことは出来なかった。カート・ベッチャーという人の音楽の何がそこまで僕を惹きつけたのか、というと彼がゲイリー・アッシャー(ビーチ・ボーイズの多くの代表曲の作詞を手がけた人物)やブルース・ジョンストン(後期ビーチ・ボーイズのメンバー)を通して実際に「本家」ビーチ・ボーイズと関わりがあった、というのはやはり大きい。またサジタリアスやミレニアムが他のソフト・ロック・グループとは違ってややサイケで硬派なロック寄りのグルーヴを持ち合わせていた、というのも特に惹かれた要因のひとつ(ミレニアムの「ビギン」ではビーチ・ボーイズだけでなくドアーズやローリング・ストーンズからのアイデアの拝借が聴かれる)。そしてカート・ベッチャーのコーラス・アレンジはその複雑さにおいて他のソフト・ロック・グループとは一線を画している。「複雑さ」という点では「本家」ビーチ・ボーイズを凌いでいる、と言っても過言ではないのではなかろうか。この複雑なコーラスワークはビーチ・ボーイズというよりはむしろMFQ(モダン・フォーク・カルテット)やママス&パパスなどに通じるフォークソングをやっていたゴールドブライアーズ時代に培ったものなのだろう。

さて前置きが長くなったが、そのカート・ベッチャー率いるミレニアムが唯一残したアルバムが「ビギン」(68年リリース)である。まれにプログレッシヴ・ロックのアルバムと評されることもあるらしい(笑)。たしかにアルバム一枚を貫いているコンセプトというかスキーム(曲間がない、または非常に短い)はまさにプログレのそれだ。前述したようにややサイケ風味で60年代後半という「時代」の息遣いが感じ取れる。しかし楽曲そのものはポップでキャッチーで親しみやすいメロディを持つ「歌とコーラス」が中心で、変な言い方かもしれないが特に日本人の心に響くタイプの音楽であると思う(実はカート・ベッチャーは幼い頃父親の仕事の関係で日本に滞在していた。その経験をもとにゴールドブライアーズ時代には「Haiku(俳句)」なんて曲を作っていたりする)。

以前ブログでプロコル・ハルムの「マグダレーン」という曲は自分の所属するレコード会社のレーベル名を連呼する変な歌だ、と書いたが、「マグダレーン」を聴いて真っ先に思い出したのがこのミレニアムの「ビギン」の最後の曲「Anthem」である。この曲も「Columbia CBS」と彼らが所属するレコード会社のレーベル名を連呼するだけで終わる短い曲なのだ(こちらの方が短くてよりCMのジングルっぽい曲)。そして曲のタイトルはその名も「Anthem(賛歌)」(笑)。レーベル賛歌は当時の流行りだったのかな?

「デザート・アイランド・ディスク」という言葉があるけど、ミレニアムの「ビギン」は僕にとっての「デザート・アイランド・ディスク」ではない。なぜならわざわざ無人島に持って行かなくてもいつでも脳内再生できてしまうからである(笑)。

カート・ベッチャーの関連過去ログ1

カート・ベッチャーの関連過去ログ2

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