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格上をアオり



前回「プロコル・ハルムもプログレにカテゴライズされることもある」と書いたが、組曲形式の長尺の曲があったり、マシュー・フィッシャーの弾くオルガンが印象的だったり(プログレをいろいろ聴くようになって初めてプログレという音楽にとって「オルガン」がひとつのキーワードであることを知った)、ドラムスのB.J.ウィルソン(故人)のプレイがおかずを多用するバカテクだったり(J.ボーナムの替わりにレッド・ツェッペリンに加入するはずだったらしい)、よく考えればまあプログレ的要素は満載のバンドではある。

ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーターというバンドはピーター・ハミルの歌が引っ張っていってくれるので、根が3分間のポップソング好きの僕にも(笑)聴きやすいプログレ・バンドである。ハミルの鬼気迫るヴォーカルがジョニー・ロットンに影響を与えたのは有名な話だが、たしかにその後(70年代後半〜90年代)のUKパンク・オルタナティヴロックシーンに大きな影響を与えたのかもしれないな、と思う。例えばスウェードなんかはてっきりデヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックなどグラムロックの真似事をやっているのだ、と思い込んでいたんだが、ブレット・アンダーソンのヴォーカル・スタイルはハミルの影響を相当受けているのだろう。それからハミルがビブラートを利かせてシャウトする裏でオルガンが鳴っていたりすると「ん?ディープ・パープルか?(笑)」なんて感じる瞬間もあって、キング・クリムゾンやEL&P同様ハードロック、メタルへ与えた影響も大きいだろう。あと僕の好きなアーティストではトッド・ラングレンなんかも、意外とハミルの影響を受けているのかもしれないと思った(特にユートピア期)。

音楽的にはヒュー・バントンの荘厳なオルガン、ガイ・エヴァンスの暴れまわるドラムス、デイヴ・ジャクソンの攻撃的なサックスがいかにもプログレらしいスリルと緊張感。乱暴な言い方をすれば、キング・クリムゾンの「21世紀のスキッツォイドマン」の世界を敷衍したもの、ということになるかもしれない。初期のアルバムでは御大ロバート・フリップも参加しているのだが、フリップのギターが聴こえてくるところで否が応でもテンションが上がってしまう。惜しむらくはこのバンドに優れたギタリストがいなかったことか(ハミルも弾いてはいるが申し訳程度)。

「ワールド・レコード」は76年に発表された彼らの7枚目のアルバム。ラストに収録されたあまりに美しい名曲「WONDERING」で得られるカタルシスは、キング・クリムゾンの「STARLESS」で得られるそれと同質のものであろう。僕は「STARLESS」をこの世の最後の夜に聴きたい。そして「WONDERING」を生まれ変わった日の朝に聴きたい。

彼らの2ndアルバムのタイトルは「The Least We Can Do Is Wave To Each Other」。歌詞カードのハミルのコメントに引用として書かれてあるのでハミル自身の言葉ではないようだが、なかなかに気の利いたフレーズである。

「We're all awash in a sea of blood, and the least we can do is wave to each other」〜「我々はみな血の海を漂っているんだから、せめて手ぐらい振って別れようぜ」

世界の終わりとハードボイルド、ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター。

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