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同型が強力で



マシュー・フィッシャーの1stソロアルバム「ジャーニーズ・エンド」は、プロコル・ハルムでのクラシック音楽からの引用を用いた丹念に練り込まれた音作りとは対照的にラフでレアな弾き語りの楽曲がほとんどである。UK盤ライナーノーツではジョン・レノンの1stソロアルバムが引き合いに出されているが、あながち間違いではないかもしれない。「あの名曲「青い影」でオルガンを弾いていた人物のソロアルバム」という先入観に対するマシュー自身の反発もあったのだろう。当時プロコル・ハルムを期待してアルバムを聴いた人のほとんどはがっかりしたのではなかろうか?(笑)。世界的な大ヒットとなった「青い影」の呪縛から逃れようとする苦悩は、収録曲「Going For A Song」の歌詞にも表れている。タイトルは「お気に入りの歌」とでも訳せばよいのだろうか。

「僕の窓からステンドグラスを持っていってもいいよ/僕のウィスキーやシャンパンを飲んでも構わない/僕のゴルフコースを耕運機で耕してくれてもいいよ/でもお願いだからあの歌を歌わせるのだけはかんべんしてくれ/

僕のプールにピラニアを入れてくれてもいいよ/蹴られたって痛がりはしないさ/僕のランボルギーニに君の名前を刻んだって構やしないさ/でも頼むからあの歌だけは歌わせないでくれ/

別に切ない気持ちになるあの高音が歌えなくなったからじゃないんだ/あの頃の自分を思い出すと/とても憂鬱になるんだ/だからもうあの歌は歌わせないでくれよ/

あの歌詞が嫌いだって訳でもないんだ/ただまあもっとましな歌詞があったとは思うがね/でもあの歌を聴くたびに何故か落ち込むんだよ/

サインをお願いされれば書いてあげるよ/でもあの頃の仲間が今何をしてるのかは訊かないでくれ/あの頃の写真を見せられるのもゴメンだ/そしてお願いだからあの歌を歌ってくれと言わないでくれ/頼むよ/あの歌はもううんざりするくらい歌ったんだ/頼むからもう二度とあの歌を歌わせないでくれ」(拙訳:by 豊満ランドオー)

やはりマシューも「青い影」の歌詞は気に入らなかったんだね(笑)。キース・リードの難解な歌詞とはうって変わってマシューの書く詞はわかり易すぎる(笑)。

2ndソロアルバム「I'll Be There」は、あまりにシンプルでラフすぎた前作の反省を踏まえてか、サウンドプロダクションも凝っていて楽曲も粒ぞろい。中でもオルガンの響きが温かくも切ない「Not Her Fault」は落涙必至の名曲。

「今朝彼女が出かけてからすぐに荷物をまとめた/彼女には昨日のうちに伝えておくべきだったが/僕はそれほど強くはないんだ/それで「自由になりたい」と書き置きを残しておいた/彼女はその手紙を玄関の鍵を置いてあるところに見つけるだろう/

こんな風に出て行くつもりじゃなかったんだけど/とにかく行かなきゃならないんだ/だから彼女に伝えてくれ/僕のことは心配しなくていいよ、と/何も問題はないんだ/

もし彼女が君になぜ僕が出て行ったのか/なぜそんなひどいことをするのかと尋ねたら/彼女に伝えてくれないか/彼女のせいではないんだ、と/悪いのは彼女ではないんだ、と/

何とかしようと努力はしたけど/どうしようもなかったんだよ/泣かせてしまって悪かった/でも他にどうすればよかったんだよ/

こんな風に出て行くつもりはなかったんだけど/とにかく行かなきゃならないんだ/だから彼女に伝えてくれないか/僕のことは忘れてくれと/それでも彼女がどうして僕が出て行ったのか君に尋ねたら/彼女に伝えてくれないか/彼女のせいじゃないんだ/僕のせいなんだ、と」(拙訳:by豊満ランドオー)

その音楽と同じように優しくあたたかい、こういう感性は大好きだなあ。それにしてもわかりやすい歌詞だね(笑)。昨日おとといのフラストレーションが解消されたわ(笑)。

3rdアルバム「Matthew Fisher 」と4thアルバム「Strange Days」は、70年代後半から80年代前半という「時代」(少しAOR風味)を感じさせる佳作。4thでは僕の大好きなゾンビーズのクリス・ホワイトが共同プロデュースしてるのもいい。

これらのマシュー・フィッシャーのソロ作はシンガーソングライター(レコードコレクターの人には「SSW」と表記した方が伝わるかな)好きの人ならきっと気に入るだろう。聴いていると、春の陽だまりで日向ぼっこをしているような気持ちになれる、優しくあたたかいアルバムである。キリンジなんかはマシュー・フィッシャー好きだろうな。

しかし前にも書いたが僕はもう結構いろんな音楽を聴いてきたつもりでいたんである。それなのに今になってこんなにも僕の人生にとってかけがえのないアルバムに出会えるなんて思いもしなかった。そもそもプログレに目覚めてイエスの「こわれもの」を聴かなければ、マシュー・フィッシャーのソロアルバムなんか一生聴くことはなかったかもしれないのである。これを「セレンディピティ(=探し求めているものではないものを発見すること)」と言わずしてなんと言えばよいのか。ちくしょう、人生は楽しいなあ。

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