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  • 2016.04.03 Sunday
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The Essential/Eric Carmen

JUGEMテーマ:音楽

1984年に公開された映画「フットルース」のサントラ盤は当時大ヒットを記録し、ケニー・ロギンズの歌う主題歌をはじめボニー・タイラーの「ヒーロー」(我が国では葛城ユキさんのカヴァーでヒット)、ムーヴィング・ピクチャーズの「ネヴァー」(同じく我が国ではピンク・レディーのミーちゃんの歌でヒット)など、アルバムからは数多くのヒット曲が生まれた。その中の1曲、ラヴァーボーイのマイク・レノとハートのアン・ウィルソンがデュエットした名曲「パラダイス〜愛のテーマ(Almost Paradise)」が僕は大好きで、洋楽に興味を持ち始めたばかりの当時中学生だった僕は親に買ってもらったSANYOのアナログ・レコード・プレイヤーをAIWAのラジカセにつなげてこの「パラダイス」の7インチ・シングルのドーナツ盤を繰り返し聴いていた。歌詞を丸暗記してしまうくらい、文字通りレコードが擦り切れそうになるまで繰り返し聴いていたことをよく覚えている。この曲の作曲者がエリック・カルメンだった訳だけれど、自分の大好きな曲を演奏しているミュージシャンよりも「いったい誰がこんな素晴らしい曲を書いたのだろう?」とコンポーザーの方に関心を持ったことは、その後の僕の音楽の聴き方に少なからず影響を与えたかもしれない。

このSONYの「The Essential」シリーズは、アーティストの長いキャリアを手っ取り早く総括できるうえにヴォリュームたっぷりで満足もできて、かつコアなファン向けに貴重なレア・トラックまで収録されているというありがたいベスト盤シリーズ。自分も何枚かお世話になってるはずだなあ、とCDラックを調べてみたら、ジョージ・ガーシュイン、メイナード・ファーガソン、バリー・マニロウとかなり奇妙な取り合わせで所有していた(笑)。そのシリーズにエリック・カルメンが登場。ブックレットにはブルース・スプリングスティーン、ポール・スタンレー(KISS)、マシュー・スウィートら多くのミュージシャンがトリビュート・コメントを寄せているのだけれど、何とその中にアレックス・チルトン御大のコメントが!涙なしには読めません。

我々のような人間にとってこの手のベスト盤の関心はリマスターの音質とレア・トラックということになるのだけれど、音質についてはまあ劇的によくなっている、とかいうことはないですね。ラズベリーズの音源なんかは昔から音が悪かったのでどうかな、と期待もしていたのだけれどそもそもマスターテープに起因するものなので、音質向上を期待する方が間違っているかも。レア・トラックについては個人的に興味深かったのは88年のヒット曲「Make Me Lose Control」の歌詞違いデモ・ヴァージョン「Long Live Rock&Roll」。原曲はかつてのヒット曲「悲しみToo Much」と同路線のドリフターズを想起させるオールディーズ風の佳曲で、歌詞の内容も映画「アメリカン・グラフィティ」そのままのラヴソングなのだけれど、デモ・ヴァージョンでは歌詞の「Make Me Lose Control」の部分が「Long Live Rock&Roll」に置き換わっていて、これだとサビの「Turn the radio up for that sweet sound」というオールディーズ讃歌的な歌詞にぴったりハマっていてストンと腑に落ちる。「Keep this feeling alive」という部分も「Keep this summer alive」となっていてこっちの方が随分いい(ビーチ・ボーイズのアルバムにも「Keepin' The Summer Alive」というのがありましたが)。何でもアリスタのクライヴ・デイヴィス社長から「歌詞の内容が古臭い」と変更を要求されたそうだけれど、どこのレコード会社も上の人間は余計な口出しをするものなんですかね(笑)。

ただ何と言っても今回の目玉と言えるのは、何と実に18年ぶりとなる新曲「Brand New Year」。ビーチ・ボーイズの隠れた名曲「Keep An Eye On Summer」をちょっと思い起こさせる佳曲で、歌詞の内容からするとビーチ・ボーイズの「クリスマス・アルバム」のアウトテイク、とでも言ったところか。レコーディングにはブライアン・ウィルソンの「スマイル」再録に尽力したことで知られるダリアン・サハナジャ君(ワンダーミンツ)が参加している。僕は彼のことをゾンビーズの「オデッセイ&オラクル40周年再現コンサート」のDVDでメロトロンを弾いているのを見て知ったのだけれど、大御所ミュージシャンに可愛がられてますねえ。

僕がラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を好んで聴くのは、今年のソチ五輪での浅田真央ちゃんのフリー演技「奇跡の4分間」に感動したから、という訳ではなくて(笑)、エリック・カルメンの代表曲「オール・バイ・マイセルフ」にその第2番第3楽章のメロディが使われているからです。あと「恋にノータッチ」には同じラフマニノフの交響曲第2番が使われているのだけれど、このエリック・カルメンという人はラズベリーズ時代の楽曲にしてもビートルズ、ザ・フー、スモール・フェイシズ、ビーチ・ボーイズといった大好きなミュージシャンへの憧憬の表明がピュアでストレートでイノセントなんですよね(それは音楽だけじゃなくて「雄々しき翼(Boats Against The Current)」の歌詞の一節がスコット・フィッツジェラルドの「華麗なるギャッツビー」からの引用とかいうのもね)。で、ビーチ・ボーイズ風の楽曲にはちゃんと本家ビーチ・ボーイズからブルース・ジョンストンがコーラス参加してたり、日本ツアーにはカート・ベッチャーがバックコーラスで来日してたり、というのも我々愛好家には伝説だったりもするのだけれど。

ちなみに今回の日本盤仕様のBlu-spec CD2というのはSHM-CDと同じで個人的には違いがよく分からないのだけれど(笑)、前回記事にも書いた若月眞人さんのかゆい所に手が届きすぎる解説が素晴らしいのと、日本盤のみ収録のボーナストラックも6曲もあるのでぜひ日本盤をおすすめします。

 

My Heart/Doris Day

 
ドリス・デイ、と言うと僕なんかは反射的に「あなたとドリス・デイ/踊ろよマッシュポテト」とサザンの歌を口ずさんでしまいますが(笑)、世間一般的には高名な女優であり「ケ・セラ・セラ」のヒット(本アルバムにもボーナス・トラックとして収録)で知られる歌手である、ということになるのでしょう。

そして我々ビーチ・ボーイズ・マニアにとってはブルース&テリーのテリーことテリー・メルチャー(ビーチ・ボーイズの全米No.1ヒット「ココモ」は彼のソロ曲を下敷きにしたもの。初期バーズのプロデューサーとしても有名)のお母上、ということになる。この御年87歳(!)の新譜「My Heart」は全てが録り下ろしの新曲という訳ではなくて、古い曲のカヴァー音源と80年代にやっていたTV番組のために録音されたオリジナルの楽曲を編集したいわゆる企画盤ということになるのだけれど、昔と変わらぬその歌声に心奪われる。特にブルース・ジョンストンとテリー・メルチャーの作曲・プロデュースによるオリジナル楽曲(完全未発表曲を含む計5曲)が素晴らしい。

カヴァー曲はスタンダード以外にもトラッドソングの「Stewball」(ジョン・レノンの「Happy X'mas(War Is Over)の原曲と言われる曲)やビリー・プレストンの「You Are So Beautiful」(以前ニッキー・ホプキンスについて書いた時に「デニス・ウィルソンの愛唱歌」と書いたけどデニスはこの曲の共作者だという説があるのですね。このアルバムのライナーノーツを読むまで知らなかった)など馴染み深いものが多いのだが、やはり何と言ってもビーチ・ボーイズ(というかブルース・ジョンストン)の「Disney Girls」のカヴァーが出色の出来。ライナーノーツを書くウィル・フリードウォルドは「この曲の歌詞にパティ・ペイジと「オールド・ケイプ・コッド」が出てくるが、デイと「ケ・セラ・セラ」が同じように気軽に出てきても不思議ではない。自伝のように歌っている」と言っているが、確かにブルース・ジョンストンはこの美しいワルツを、高名な女優であり歌手である親友のお母様のために書いたのかもしれない、とさえ思えてくる。

このアルバムは2004年にガンで亡くなった息子テリーに捧げられている。古い曲「My Buddy」のアウトロに導かれて始まる「Happy Endings」の冒頭のナレーションでドリスは「テリーは私の息子だっただけでなく『My Buddy』でした」と語っている。「テリーが私のために書いてくれたこの曲を聴いたとき、私は彼が歌うべきだと主張しました。私じゃない、と。彼が歌ってくれて嬉しかった」。テリーがリード・ヴォーカルを取るこの曲を聴いていると、なぜドリスが息子に歌わせたかったのかが分かるような気がする。あまりにも感動的な名曲である。

そう言えば今日は、母の日ですね。



That's Why God Made The Radio/The Beach Boys


いつものように何をいまさら、という間抜けなタイミングではありますが(笑)、前回の記事までで「去年聴いた新譜〜UK編」を書いたので「アメリカ編」にもケリを付けておこう、と。

ビーチ・ボーイズ・ファンの間でも様々な受け入れられ方をしたアルバムだと思うけれど、僕は個人的にビーチ・ボーイズのアルバムの中でも「L.A.(Light Album)」や「 Keepin' The Summer Alive」あたりが結構好きな割と奇特なタイプのビーチ・ボーイズ・マニアなので(笑)、先行シングル「That's Why God Made The Radio」が名曲「Goin' On」を思い起こさせる今回のアルバムもお気に入りに追加されました。

ブライアン・ウィルソンはこのアルバムの完成後に「次はロックン・ロール・アルバムを作りたい」と語ったそうだが、逆に言えばそういうタイプの作品とは真逆のアルバム、ということになる。特にアルバムがノスタルジックなイントロダクション「Think About The Days」に導かれて幕を開けてラストが「Summer's Gone」という曲で締めくくられるというコンセプチュアルな構成は、映画「アメリカン・グラフィティ」のエンドロールでビーチ・ボーイズの「All Summer Long」が流れてくる夏の終わりの切なさを思い出したりもして。明るく元気なビーチ・ボーイズが好きな人には、こういうのは湿っぽいと思えるのかもしれないけどね。

ひとつ不満があるとしたら、僕の大好きなブルース・ジョンストンがほとんど空気と化しているところ(笑)。20年前にリリースされた前作「Summer In Paradise」にはブルースのペンによる珠玉の名曲「Slow Summer Dancin'(One Summer Night)」が収録されていたが今回はブルースの曲は一曲もなし。ちなみにこの「Summer In Paradise」はクリスチャン・ラッセンの絵を思わせる醜悪なジャケットと共に多くのファンが酷評するアルバムだが、奇特なビーチ・ボーイズ・マニアである僕は(笑)結構嫌いではない。ブルース(・ジョンストン)&テリー(・メルチャー)色が濃いところとかね。

今回の新譜でブルース・ジョンストン色が薄い、とお嘆きの同志の方は、これも昨年国内盤がリリースされたドリス・デイ(テリー・メルチャーことテリー・デイのお母上。御年87歳!)の新譜を聴いて足りないブルース・ジョンストンを補いましょう。次回はそのドリス・デイの「My Heart」について。

I Write The Songs

JUGEMテーマ:音楽

「The Nearest Faraway Place」:
以前ブログで「あなたはビートルズ派かストーンズ派か?と問われたなら僕は断然ビーチ・ボーイズ派だった」と書いたけれど、最近またビーチ・ボーイズを聴いている。別に夏だから、という単純すぎる理由ではなくて(笑)、前回書いたようにショーン・オヘイガン〜ハイ・ラマズを聴いていて、やはり無性に「本家」ビーチ・ボーイズを聴きたくなったからである。しかしこの「20/20」に収められた「キャビネッセンス」( 幻のアルバム「スマイル」に収録予定だった曲。ブライアン・ウィルソンとヴァン・ダイク・パークスの共作)なんかを聴いたら、ハイ・ラマズを好きな若い人たちはどう思うのだろうか?こんな風に元ネタにめぐり会うと興ざめする人もいるのかもしれないけれど、手品のタネ明かしを見せてもらったようなカタルシスが得られるのもそれはそれで楽しいという気もする(笑)。

しかし改めてこのアルバムを聴き直して、僕がやはり心を奪われてしまったのはその「キャビネッセンス」ではなかった。「ザ・ニアレスト・ファーラウェイ・プレイス」。ブルース・ジョンストンが初めてビーチ・ボーイズの為に書き下ろしたインスト曲である。

これも以前ブログで「僕がビーチ・ボーイズが好きだ、と言う時の30%はブルース・ジョンストンが好きだ、という意味である」と書いたけれど(笑)、それくらい思い入れの深いミュージシャンである。いや「あなたは沢山の音楽を聴いているようだが結局誰が一番好きなのか?」と問われたのなら、ブルース・ジョンストンです、といっそ言い切ってしまってもいいとさえ思っている。ニッキー・ホプキンスやマシュー・フィッシャーやアラン・パーソンズ・プロジェクトについて「甘くて優しくて繊細でソフト」と書いたけど、なにゆえそういうタイプのミュージシャンが好きなのかというと、全てはこのブルース・ジョンストンから始まっているのである。ということで治まりかけていたハイ・ラマズ熱から今度はブルース・ジョンストン熱に浮かされることになった(笑)。

この「ザ・ニアレスト〜」はいかにもブルース・ションストンらしいメランコリックでロマンティックでノスタルジックで優しい佳曲。惜しむらくはインスト曲のためブルースの甘い歌声が聴けないことくらいか。


「God Only Knows」:
ビーチ・ボーイズの最高傑作とされる「ペット・サウンズ」の代表曲「God Only Knows」は言うまでもなくブライアン・ウィルソンの書いた曲であってブルース・ジョンストンの書いた曲ではない。しかしこの曲のハイライトとも言うべきコーダの部分で、ブライアン・ウィルソンと印象的なコーラスの掛け合いを聴かせてくれるのがブルースである。ブルースがビーチ・ボーイズのメンバーとして初めて存在感を示した曲と言える。しかし18歳の頃に繰り返し聴いた「ペット・サウンズ」を、今改めて聴き直してみると一番心に響く曲は「Let's Go Away For A While」や「Pet Sounds」といったインスト曲だったりする(笑)。


「Deirdre」「Tears In The Morning」:
「スマイル」がオクラ入りになって以降、低迷していたビーチ・ボーイズが70年代に入ってリリースした快作「サンフラワー」(商業的には成功しなかった)に収録されたブルース作のこの2曲は、もはやビーチ・ボーイズの曲とは言えないのかもしれない。アレンジは映画音楽で有名なミシェル・コロンビエが担当。特に「Tears〜」のフレンチ風味の味付けはブルースの耽美な趣の楽曲とよくマッチしている。ミシェルはレコード会社のA&RマンでもあったブルースがA&Mレコード人脈から連れて来たのかもしれない。


「Disney Girls(1957)」:
次作「サーフズ・アップ」に収録された名曲「ディズニー・ガールズ」。ブルースと言えば何と言ってもこの曲にとどめを刺すだろう。村上春樹がエッセイ「村上ソングズ」で「1957年のディズニー・ガールズ」として訳詞とともにこの曲を採り上げているが、美しい楽曲だけでなく素晴らしいのはブルースが描くその歌詞の世界観である。

「オープンカーと綺麗な星たち/僕に欠けていたのはそれなんだ/ファンタジーの世界とディズニーの女の子たち/もうすぐ帰るから」(拙訳by豊満ランドオー)


「Don't Run Away」:
60年代にブルースがテリー・メルチャー(女優ドリス・デイの息子。80年代に入ってビーチ・ボーイズが全米No.1に返り咲いたヒット曲「ココモ」は元々テリー・メルチャーのソロ曲だったものを発展させたもの)とともに組んでいたユニット、ブルース&テリーはジャン&ディーンのような主にサーフィン&ホット・ロッド系の音楽を演っていたのだけど、この「Don't Run Away」はブルースが書き、自らがヴォーカルを執ったブルースのその後の音楽の原点とも言うべき曲。ブルースらしい美しいバラードなのだけど、コード進行がちょっと複雑で洒脱。60年代に作られた楽曲なのにまるで古さというものを感じさせない。この曲の熱心なファンである山下達郎はこの曲を下敷きにして「Only With You」を書いた。基本的にはソフトロック的なアプローチの曲で、盟友とも言うべきカート・ベッチャーを引き合い出す人もいることだろう(ブルースはカート・ベッチャーとゲイリー・アッシャーのプロジェクト=サジタリアスの1stアルバムにも参加している)。


「Don't Worry Baby」:
カリフォルニア・ミュージックはブルースが70年代中頃に組んでいたトリオ。この「Don't Worry Baby」は言うまでもなくビーチ・ボーイズのヒット曲のカヴァーなのだけれど、僕はこのカヴァー・ヴァージョンを聴いたときの衝撃を忘れられない。カヴァー曲には原曲に忠実なものと原曲を破壊したものの大きく分けてふたつのパターンがあると思うのだけど、この曲は完全に後者。で、後者のパターンは往々にして原曲のファンの支持を得られないことが多いのだけれど(笑)、このカヴァーはほとんどのビーチ・ボーイズファンが納得するのではないだろうか。ブルースのヴォーカリスト、コンポーザーとしての魅力のみならず、アレンジャー、プロデューサーとしての力量を存分に発揮した楽曲。実際に「スマイル」がオクラ入りして以降のブライアン・ウィルソンがダメになっていた頃のビーチ・ボーイズがコンスタントにアルバムをリリースし続けられたのは、アレンジャー、プロデューサーとしてのブルースの音楽的なサポートによる部分が大きかった、と言われている。そしてやはり魅力的なのはほとんどユニセクシャルと言ってもいいブルースの甘い歌声である。


「She Believes In Love Again」:
我々の世代でビーチ・ボーイズのリアルタイム体験ということになるとこのアルバムになる。特にシングルカットされた「ゲッチャ・バック」は、その印象的なビデオ・クリップ(MTVの時代、ですね)と共にファン以外の人でも記憶している人が多いのではないだろうか?ちょうどヴァン・ヘイレンのデイヴ・リー・ロスがビーチ・ボーイズの「カリフォルニア・ガールズ」をカヴァーしたのも同じ頃で、こちらも同じようにビデオ・クリップが印象的だった(思春期だったので特に水着の美女が数多く登場するこの二つのビデオクリップが印象に残っているだけかもしれない(笑))。とにかくブルース・ジョンストンという人は寡作というか控えめな人なので(笑)、このアルバムでもブルースのペンよる曲はこの「She Belives〜」1曲のみ。山下達郎の「Only With You」はブルース&テリーの「Don't Run Away」を下敷きにしている、と書いたけど、この「She Believes 〜」は「ゲット・バック・イン・ラヴ・アゲイン」の元ネタなのではないか?と思うのだけれど、どうでしょう?


「Slow Summer Dancin' (One Summer Night)」:
’92年リリースのこのアルバム(ブライアンは不参加)でも例によってブルースの曲はこの1曲のみなのだけれど、いかにもブルースらしい美しいバラード。こういうのを聴かされると、この人がもっと多作な人だったらなあ、と残念でならない。


I Write The Songs:
バリー・マニロウが歌って全米No.1ヒットとなり、コンポーザーとしてグラミー賞まで受賞した名曲。もともとは「愛ある限り」のヒットで知られるキャプテン&テニールの為に書かれた曲で、その後パートリッジ・ファミリーのデヴィッド・キャシディなど数多くのアーティストにカヴァーされた。この曲については以前書いたこともあるのでご参考まで。このブルースのソロ作は寡作な人らしく(笑)、シンプルなエレピの弾き語りによるセルフ・カヴァーやカヴァーばかり(ついでに言うとジャケ写もビーチ・ボーイズ「サンフラワー」の内ジャケの写真の流用(笑))。このアルバムというと必ずと言っていいほどヴェンチャーズの「パイプライン」のディスコ風カヴァーの悪評の話になってしまうのだけれど(笑)、当時は盟友カート・ベッチャーも「カリフォルニア」というプロジェクトでディスコ・サウンドに傾倒しており、お互いに触発しあってこういうことを演っていたのは明らか。僕は個人的にはブルースの「パイプライン」もカートのカリフォルニアも嫌いじゃないんですけどね(笑)。

目先を替えて



幼稚園に通う姪っ子がウチに遊びに来ると「探検」と称して僕の部屋を目茶苦茶にしていく。まあ子供のやることだから、と大目にみているのだけど僕の部屋には幼い女の子に見せるのは教育上よろしくないものもあるので(笑)困ったものではある。先日も仕事から帰ってくると僕の部屋の中はかわいい探検隊長によって荒らされたあとだった。ふと足元に目をやるとそこには半円形のアナログレコードLPのインナースリーヴ(内袋)が落ちていた。ところが中身(アナログ盤)が入っていない。イヤな予感がした。荒らされた部屋の中を見回すと、部屋の片隅の床の上に1枚の黒い塩化ビニル盤が無残にも打ち捨てられていた。案の定盤面にはサーッと引っ掻いたような何本かのキズが入っている。ただ僕は何百枚ものアナログレコードを所有しているので、どうでもいいレコードであれば何の問題も無かった。の、だが。アナログ盤の隣には主を失った空のアルバムジャケットが同じように打ち捨てられていた。バリー・マンの「サヴァイヴァー」。忘れもしない、学生時代に外盤屋で5800円のプレミア価格がついていたのをなけなしのこづかい銭はたいて買ったものだ。この僕の部屋の何百枚もあるアナログレコードの中から、よりによって何でこれなんだよ、と泣けてきた。

バリー・マンはキャロル・キングやニール・セダカ、ジム・ウェッブ、ジェフ・バリーなどと並ぶ60年代ポップスの重要なソングライターの1人。そのヒット曲は全米No.1ヒットとなったライチャス・ブラザーズ「ふられた気持ち」やドリフターズ「オン・ブロードウェイ」など枚挙にいとまがない(ジェネシスの「眩惑のブロードウェイ」に「オン・ブロードウェイ」のコーラスの引用があってニヤリとしてしまった)。70年代以降もBJトーマス「ロックンロール・ララバイ」、ダン・ヒル「ふれあい」、クインシー・ジョーンズ&ジェイムズ・イングラム「ジャスト・ワンス」、リンダ・ロンシュタット&ジェイムズ・イングラム「サムウェア・アウト・ゼア」、リンダ・ロンシュタット&アーロン・ネヴィル「ドント・ノウ・マッチ」などの全米トップ10ヒットがある。

この「サヴァイヴァー」はバリー・マンがシンガーソングライターとして75年にリリースした作品。実に感動的なゴスペル・アルバムである。「CHOIR(クワイヤ)」とクレジットされたバック・コーラス陣はブルース・ジョンストン(ビーチ・ボーイズ)、ジェリー・イエスター(ラヴィン・スプーンフル、MFQなど)、スパンキー・マクファーレン(スパンキー&アワ・ギャング)、キャプテン&テニールなど錚々たるメンツがこの60年代の偉大な作曲家のアルバムを盛り立てている。なかでも感動的なのが「アイム・ア・サヴァイヴァー」という曲。数々のトップ10ヒットを放ってきた作曲家としてのプライドと決意表明の曲である。

「僕はエルヴィスのファンでディランみたいに歌える/ジョージやリンゴやポールやジョン、ローリング・ストーンズのピークにもその時代の只中にいた/僕のウォール・オブ・サウンドで君をハイにするのもアンダーグラウンドへ送り込むのもた易いことさ/僕は生き残ったんだ/いろんなバンドが生まれては消えていくのを見てきた/でも僕は生き残ったんだ/僕こそがロックンロール・ショウなんだ/時代が変われば歌も変わる/音も変わればキーやハーモニーも変わる/でも僕はいつでもそれに応えてあげるよ」〜(拙訳:By豊満ランドオー)

しかしそれにしても60年代、70年代、80年代と三つもの時代(Decade)にわたってトップ10ヒットがある、というのはすごい。先述したL.ロンシュタットの「ドント・ノウ・マッチ」は89年のヒット曲だからおまけして90年代ということでもいいのではなかろうか(笑)。まさに彼こそがポップ・ミュージックにおける「サヴァイヴァー」である。

今思えば、うちの姪っ子がなぜ何百枚ものアナログレコードの中からわざわざバリー・マンの「サヴァイヴァー」を選び取ったのかが分かる。単純なことだ。ジャケットにコリー犬のイラストが描かれているからである(笑)。大きくなっても動物を愛する優しい心を忘れない大人になっておくれよ。

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